もう一度夢を追いかけて
生まれつき右半身まひ障害を持つ背番号11まさとは小学6年生で野球を始めたが、試合に出場することはほぼなかった。中学校時代も最初は試合に出場していたが、徐々に出場機会は減っていった。
そんな少年時代を過ごしたまさとだったが、高校3年生のときに身体障害者野球世界大会を見て「これだ!」と思い、障害者野球の世界へ。あこがれだったピッチャーにも挑戦した。しかし…球速が伸びない、ストライクが入らない…なかなか結果が出ず、自分を見失い、自信を失い、野球はもうやめようと思った。
しかし、そんなときに前チームでお世話になったぶんぞうさんから、「新チームをたちあげるで。俺はおまえを日本代表の投手にするのをあきらめへん」と声をかけてもらい、もう一度挑戦することに。
若手が多いダンデライオンズで、まさとはもうベテランだ。チームには野球初心者も多いので指導する立場もになり、責任感が出てきた。もう以前のように甘えてはいられない。そしてその責任感が自分のピッチング面にも良い影響をもたらしている。テンポよく投げ、ストライクが先行。クイックモーションで投げたり、緩急をつけたりすることもできるようになった。周囲から信頼され、ようやく自分のピッチングスタイルが確立しつつある。
35歳となった今、熟練のピッチングで、また夢を追い続ける。
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