背番号「7」ニイさん
今回は背番号7、通称ニイさんを紹介します。
ニイさんは3歳のときに聴覚障害があることが判明、以降補聴器をつけて生活しています。幼い頃は友だちの声が聞き取りづらく、自分の言葉や思いもなかなか伝わらなくて周囲とトラブルになることが多かったので、学校に行くのが嫌でした。そんなニイさんの一番の楽しみは、時々お父さんが野球の試合を観に連れて行ってくれることであり、それがニイさんの野球との出会いでした。
中学では野球部がなかったのでバレー部に入部、高校ではバレー部と軟式野球部をかけもちしていましたが、やっぱり野球が一番楽しかったニイさん。特に高3最後の試合で自分がホームインしてサヨナラ勝ちをしたことは今でも忘れられない思い出です。
社会人になってからは聴覚障がい者野球チームに入っていましたが、身体障がい者野球チームトリッキーズと試合をしたときに、色々な障がいを持ちながらも頑張っている人たちを見て、障がい者野球に興味を持ちました。そんなとき、神戸にダンデライオンズという障がい者野球チームができると聞き、自分もチャレンジしたいという思いを井上監督に打ち明け、入部することになりました。
野球をしているときにチームメイトとコミュニケーションをとることは大変ですし、まだまだ課題はたくさんありますが、今、ニイさんは大好きな野球ができることに幸せを感じています。自宅は大阪で練習グラウンドからは遠いけど、練習への出席率はチームでもトップクラス。また選手で唯一の聴覚障がい者でありますが、練習のときはみんなにワンポイント手話レッスンをしてくれたり、若手に笑顔でよく声をかけたりしてくれています。先日は、30球以上の練習用ボールを自宅に持ち帰って、きれいにピカピカに拭きあげてくれました。
こんなふうに野球を愛し、チームを愛するニイさんは、今やチームにとって欠かせない存在となっています。
筆者:監督
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